第3話

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でも、それはことごとく遮られるんだ。 「俺、好きな人いるんすよ。もうすんげ格好よくて、ヤバイくらい好きなんす」 「へ?好きな人?」 「そうっす!ルシェルっていうケーキ屋さんのパティシエなんすよ!その人が男の人なんだけど、男同士ってありえないから諦めてたんすけど、2人が付き合ったの聞いたらなんかね」 あー…なんかもう今度こそ本当に言い出せないじゃん。 俺が知らないだけで案外たくさんいるんだな、同性を好きになる人って。それを否定するとかありえないとかやっぱ思えない。 だって目の前の塚本くんは本気なんだ。好きな人にただ直向きに恋をしてるだけ。 「良くんのことだから脅迫されなかったすか?付き合わないとボコボコにするぞみたいな」 「それはないよ、菅くんは多分結構俺のこと好きみたいだし…ははっ」 間違ってない、よな? 「羨ましーっす!俺、男の人のこと好きになったのはじめてでどうしたらいいんすか?センパイ」 ちょ、センパイ呼びやめて!
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