第3話

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俺はこの時どんな思いでその選択を選んでしまったのかは分からないけど、やっぱりどうかしてるのだと思う。 「あのなぁ、テメエが何を勘違いしてんのか知らねえが何度も言うけど山田を巻き込むんじゃねえよ」 「何がっすか!さっきからイチャイチャと見せ付けてるじゃないっすか!」 「裕平、先に言っておくがオレたちは…」 「す、菅くん!あ、あのさ…ちょっと、その、ドリンクバー取りに行かない?」 その先の言葉を俺は見事に掻き消すくらいの声を上げた。二人の視線が俺に刺さるのを堪えながら、菅くんの服の袖を掴む。 心臓の音が何やら騒ぎ立ててるけどもう構ってはいられない。なんで俺はこんな意味不明な行動をとってしまったのだろう。 「山田、まだ半分も残ってんのにどーした?」 そうだ、そうなのだ! 俺の右手には半分程残るメロンソーダのコップが握られていた。なんとか席を離れることに成功した俺だけど本当に何がしたいのだろう。 「す、菅くん!そ、そのあの…」 「あーとりあえず落ち着けば?」 「う、ん…ごめん」 とりあえずドリンクバーの前で半分残ったメロンソーダを一気に飲み干す。 「プハッ」 「落ち着いたか?」 俺はそれに何度も頷いた。
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