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「玲音、一緒に帰ろうぜ」
「うん。ちょっと待ってて」
僕の親友、浅木翔太が此方に向かってニカッと笑い手を振ってくる。
彼は根っからのスポーツ少年で、とても優しいしクラスの、いや、学校中の人気者だ。
一方僕、篠崎玲音は背も低いし、運動なんかダメダメだし、誇れるのは勉強しかなかった。
そのせいか、『ガリ勉』っていうのが僕の渾名だったけど…
それに僕は、よく苛められていた。
その度に翔太に助けてもらって、自分でも情けないと思っている。
けど、どんなに努力をしても、翔太のようにはなれなかった。
だからこそ、僕にとって翔太は太陽のような存在で、強い憧れを抱く人なんだ。
「そういやさ、ここ最近変なメールが毎日来るんだけど、どうにかなんないかな」
帰る途中、翔太は僕に相談してきた。
いつも僕が相談する側だったから、頼られてるんだと思って嬉しかった。
「迷惑メール?」
「あぁ。
毎日丁度夜十二時きっかりに同じ宛先からメールが来るんだ。
中身はまだ見てないけど」
「ふぅん。
ねぇ、見てみようよ、そのメール」
しかし、それが大きな過ちであったことに気付くまで、後一分。
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