第一章

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「駄目だって。 ウイルスとか入ってたらどうすんだよ」 「添付されてるファイルを開けなければ大丈夫でしょ。 ちょっと見るだけだから、ね?」 好奇心と翔太に頼られたことによる昂った気持ちが、僕の背中を押した。 必死に頼み込む僕に、優しい翔太は渋々といった感じて了承した。 「確か、ここら辺に… あった、ほらこれ」 画面には迷惑メールだと思われるメールが並んでいた。 本当に、夜十二時に全部届いている… 「開くぞ」 「うん」 そのメールを見た翔太は硬直した。 僕より翔太の方が圧倒的に背が高いため、翔太が固まっているままでは僕もメールを見れない。 「翔太、僕にもメール見せてよ」 「玲音」 いつもより真剣な、そして低い翔太の声に吃驚する。 「ど、どうしたの?」 下から翔太の顔を覗き込むと、翔太の顔は、 恐怖に染まっていた。 「俺、ヤバいかもしれない」 「だからどうしたんだって。 僕にも見せてよ!」
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