第一章

4/6
前へ
/11ページ
次へ
「ごめん、玲音。 俺のせいで、玲音まで巻き込むかもしれない…」 「それってどういうこと?」 翔太はゆっくりと首を振る。 よく見ると、手が震えていた、 翔太がこんなになるなんて、初めて見た。 コトッ 「翔太、携帯落ちたよ。 大丈、夫…………」 翔太の携帯を拾い上げて渡そうとすると、さっきまで僕の目の前にいた、翔太ぐ消えていた。 「え?翔太? 何処に行ったの!? ねぇ、翔太、翔太!!」 たった一瞬、目を離した隙に翔太は煙のように消えてしまった。 僕の手の中にある携帯だけを残して… 「僕の、せい? そうだよ、僕のせいなんだ。 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」 暫く辺りを探していたけど、やっぱり翔太はいなかった。 涙目になりながら、警察と翔太のお母さんに電話を掛けた。 警察の人はなかなか僕の話を信じてくれなかった。 それもそうだ。 短時間で、一人の人間が忽然と姿を消すなんて有り得ない。 形だけだろうけど、後日事情聴取をするという話になった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加