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「ごめん、玲音。
俺のせいで、玲音まで巻き込むかもしれない…」
「それってどういうこと?」
翔太はゆっくりと首を振る。
よく見ると、手が震えていた、
翔太がこんなになるなんて、初めて見た。
コトッ
「翔太、携帯落ちたよ。
大丈、夫…………」
翔太の携帯を拾い上げて渡そうとすると、さっきまで僕の目の前にいた、翔太ぐ消えていた。
「え?翔太?
何処に行ったの!?
ねぇ、翔太、翔太!!」
たった一瞬、目を離した隙に翔太は煙のように消えてしまった。
僕の手の中にある携帯だけを残して…
「僕の、せい?
そうだよ、僕のせいなんだ。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
暫く辺りを探していたけど、やっぱり翔太はいなかった。
涙目になりながら、警察と翔太のお母さんに電話を掛けた。
警察の人はなかなか僕の話を信じてくれなかった。
それもそうだ。
短時間で、一人の人間が忽然と姿を消すなんて有り得ない。
形だけだろうけど、後日事情聴取をするという話になった。
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