第一章

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その後は無い体力を振り絞って、急いで翔太の家に行った。 インターホンを鳴らすとすぐに、翔太のお母さんが顔を真っ青にさせて慌てて出てきた。 「玲音君? さっきの電話はどういうことなの!?」 「ごめんなさい、全部、僕のせいなんです……… 僕が、翔太にあんなことを言ったから」 「兎に角、中に入って頂戴」 ただ事じゃないと感じたらしい翔太にお母さんは、無理矢理笑みを作りながら僕を中に入れてくれた。 「ちゃんと、始めから説明して」 「は、い」 ポツリ、ポツリと時間をかけながらも、僕は洗いざらい翔太のお母さんに話した。 「そう、なの。 今日は少し、休ませてくれるかしら。 色々なことがあって疲れたわ」 「本当に、ごめんなさい」 「貴方のせいじゃないわ」 大丈夫、大丈夫と言ってくれる翔太のお母さんの目は大きく腫れていて、次から次へと涙が溢れていた。 その言葉は僕に対してじゃなくて自己暗示をかけているようで、それだけのことを僕はしてしまったんだと改めて自覚した。 僕の心は、悲しみと罪悪感で押し潰されそうだ。 でも、翔太のお母さんはそれ以上に辛いんだろう。 「今日はもう帰りなさい」 深く頭を下げて、僕は家を出た。
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