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その後は無い体力を振り絞って、急いで翔太の家に行った。
インターホンを鳴らすとすぐに、翔太のお母さんが顔を真っ青にさせて慌てて出てきた。
「玲音君?
さっきの電話はどういうことなの!?」
「ごめんなさい、全部、僕のせいなんです………
僕が、翔太にあんなことを言ったから」
「兎に角、中に入って頂戴」
ただ事じゃないと感じたらしい翔太にお母さんは、無理矢理笑みを作りながら僕を中に入れてくれた。
「ちゃんと、始めから説明して」
「は、い」
ポツリ、ポツリと時間をかけながらも、僕は洗いざらい翔太のお母さんに話した。
「そう、なの。
今日は少し、休ませてくれるかしら。
色々なことがあって疲れたわ」
「本当に、ごめんなさい」
「貴方のせいじゃないわ」
大丈夫、大丈夫と言ってくれる翔太のお母さんの目は大きく腫れていて、次から次へと涙が溢れていた。
その言葉は僕に対してじゃなくて自己暗示をかけているようで、それだけのことを僕はしてしまったんだと改めて自覚した。
僕の心は、悲しみと罪悪感で押し潰されそうだ。
でも、翔太のお母さんはそれ以上に辛いんだろう。
「今日はもう帰りなさい」
深く頭を下げて、僕は家を出た。
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