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五年以上、お付き合いをして同棲もしていた中川 アキラと私、松元 サツキが別れたのは、一ヶ月ほど前のことだ。両親も含め、結婚は秒読みかと思っていたのだけれど、破局は唐突に訪れた。
別れ話を切り出したのはアキラの方だった。彼は多くを語らず、「ごめんな、サツキ。もう一緒にいられない」とだけ言い残した。
ショックがあまりに大きくて、私は私物を全てあの家においたまま飛び出してしまった。アキラとも懇意だった両親には、まだそのことを言い出せずにいた。言えるわけがない。あれだけ楽しみにしていたのに……。
でも、それは本当は言い訳に過ぎないのだ。結局、私はまだ気持ちを切り替えられていない。ずるずると引きずったまま、この一ヶ月を無為に過ごしていた。
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