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とりあえずといった感じで間借りした殺風景な六畳一間のアパートの一室。私の空虚な心をまさに象徴しているかのようだった。
細部にまでこだわって発注したアンティーク家具、コーヒー党のため無理を言って購入したコーヒーメーカー、アキラとの対になっている食器類。それらは数々の思い出と共に、未だあの家の中にある。
もしかしたら、唐突にアキラから縁りを戻そうと言ってくるかもしれない。淡い期待を何十回としてきたけれど、それは今日まで叶わずじまい。
私から声をかけなかったのは、捨てられた女のせめてもの意地だった。こんな状況がいつまでも続くはずがない。そんなこと、分かっているはずなのに。
空はあいにくの雨模様だ。中に降り込んでくるといけないので、私は立てつけの悪い出窓を閉めた。携帯電話が鳴ったのはそんな時だった。
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