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すると、思った通りに結界が張られ、2人が閉じ込められた。
これは防音の効果は無さそうで、お互いに、よろしくお願いします、と言い合っているのが聞こえる。
ロランは結界の外だが、魔法線も結界もロランの魔力を感じるから、何時でも干渉出来るのだろう。
「では始め!」
ロランの合図と共に駆け出すコルと、距離を取ろうとするアンディ。
普段の2人なら、アンディはコルに直ぐに距離を詰められて不利な状況になるのだが、下は砂地。
腰に下げた剣の鞘と柄にそれぞれ手を掛けていて両手が塞がっていたコルは、砂に足を取られステンと顔面からコケた。
それを見逃さずにアンディは身体強化を掛けて素早くコルに接近すると、コルの頭スレスレに剣の鋒を向けた。
「……勝者アンディ」
流石に呆れた声を出すロラン。
アンディは、おそらく恥ずかしくて顔を上げられないコルに手を差し出して。
「僕、森の中で育ったから足場が悪い場所は慣れてるんだよね。助かっちゃった」
そう微笑んだ。
コルはおずおずと顔を上げてアンディの手に掴まると、身体を起こしてもらいそのままギュッと手を握って、有り難う、とお礼を言う。
そしてお互いに礼をして中央の結界が解かれた。
予想外だと皆も驚いていたが、今のを見て青くなってるのはFクラスではステラだけかな?
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