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ミルガを見れば、中々に面白い城になったぞ、と笑う。
「勇者対策の仕掛けも粗方用意出来たのですが、何か物足りないので、最後の調整で足りない部分のアドバイスを頂きたいのです」
続いたマレオの言葉に、どんな勇者対策のトラップが仕掛けられてるんだろうと興味が湧く。
アドバイス出来るかは別として、今日は招待を受けても良いかも、とリュッセルの顔を見ると、リュッセルも丁度俺を見てきて目が合う。
なので頷き合うと揃って、フリードに許可を貰ってくる!と返事をした。
と、ミルガがマレオに微笑んだ。
「ほらな、保護者の許可が降りれば直ぐに来ると言ったであろう?」
「流石は魔王様、契約主様の事をよくご存知ですね」
尊敬の眼差しで微笑み返すマレオ。
それを見ながら、おや?と思う。
雰囲気はかなり違うがこの2人、似てないか?
もしかして血縁者だったりするのか、と思い聞いてみれば、腹違いの兄弟なのだと言う。
マレオは、ミルガの父親がミルガの母を亡くしてから再婚した相手との子供なんだとか。
確執があるのかとも思ったが、仲が悪そうには見えないので、弟を偽魔王にしちゃって良いのか?と聞けば、無条件に信頼してる者にしか頼めないからな、と笑うミルガ。
マレオにとってはミルガは尊敬する憧れの兄だそうで、それを聞いて感激しているマレオ。
成る程ミルガが俺に対してもリュッセル同様に気に掛けてくれるのにはこう言う背景があったのか、と納得したのだった。
ずっと不思議だったんだよなぁ。
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