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また爆発が起こって研究所が大火事になった。
ここにいたら俺たちまで丸焼きになってしまうので、泣いている二人を連れ出した。
「ヒック、ヒック、怖いよ…ニイ」
「火が赤くて怖いよ、おニイ」
「え、………赤?」
言われて初めて気づいた。
なんで今まで疑問に思わなかったのだろう。
いや、まるで最初からそうだったかのように俺は全く気づかなかった。
俺の世界には色がなかった。
火の色、空の色、木の色、全てが白黒だった。
ここでやっと悟った、世界を壊してしまったのは俺だと。
親を殺したのは俺、二人を泣かせたのは俺、地球を犠牲にしてしまったのは俺。
全部俺のせいだった。
しかし、沢山自分を責めても恐怖は生まれなかった。
すでに俺は俺じゃなくなってしまった。
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