1.ワールドsacrifice

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また爆発が起こって研究所が大火事になった。 ここにいたら俺たちまで丸焼きになってしまうので、泣いている二人を連れ出した。 「ヒック、ヒック、怖いよ…ニイ」 「火が赤くて怖いよ、おニイ」 「え、………赤?」 言われて初めて気づいた。 なんで今まで疑問に思わなかったのだろう。 いや、まるで最初からそうだったかのように俺は全く気づかなかった。 俺の世界には色がなかった。 火の色、空の色、木の色、全てが白黒だった。 ここでやっと悟った、世界を壊してしまったのは俺だと。 親を殺したのは俺、二人を泣かせたのは俺、地球を犠牲にしてしまったのは俺。 全部俺のせいだった。 しかし、沢山自分を責めても恐怖は生まれなかった。 すでに俺は俺じゃなくなってしまった。
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