救済メール

15/21
前へ
/21ページ
次へ
 話を告げて、母がもし死んでしまったら?    暗中模索をしながら教室を出たところで、担任が私を呼び止めた。 「お前、携帯落としていたらしいな? 親切な生徒がそれを見つけて職員室に届けてくれたぞ?」  そう言いながら、担任はズボンから携帯を取り出した。  ワインレッドのスマートフォン。  背面にデコレーションした模様は確かに私のものであった。 「何でここに? 」  一気に血の気が引くのが分かる。 「このデコ付きスマホはお前のだよな?」  差し出された携帯を思わず払い落とす。 「違います! それは私のじゃありません!!」     そう叫ぶと私は逃げるようにその場を駆け出す。  そして、その日は昨日と同じ様にベットの中でほぼ夜を過ごしてしまった。  次の日、携帯のある学校を恐れて私は仮病をした。  明日はA子のお通夜だが全く足が動きそうになかった。    
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加