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悲鳴に近い声で平謝りを繰り返す。
とにかく、悪意がなかった事をひたすらに訴える。
『メールは……送ってくれていた。送ってくれたの……B子に……』
A子の声の圧迫感が緩んだような気がした。
ここしかチャンスが無いと、何故か私はそう思った。
「本当よ! 何なら携帯の送信履歴を見ればいい! 私は送ることは送ったのよ!」
『なら、送信履歴を見せて』
その声に私は無意識に携帯のホームボタンを押すと、直ぐにメール機能を開いた。
電話が切れる可能性など考える余裕はない。
メールの送信履歴には、確かにB子宛てにメールを送った履歴があった。
受信欄には、多分メールが届かなかった返信メールが着ているだろうが、送った事だけは確かである。
私は必死にその画面を見つめていると、背後から――
『本当だ。“映っている”』
と言う声が聞こえた。
私はいつの間にか背後に誰かがいる気配を感じて硬直した。
部屋の間取りから、後ろには窓がある。
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