救済メール

5/21
前へ
/21ページ
次へ
「どうしたのA子? 急に怖い顔をして?」  A子は少しは落ち着いたのか、近くの椅子に座ると背を深く沈める。 「前、私にメール寄越した中学の友達の話をしたよね?」 「うん?」 「あの子、死んだの」 「……そうなんだ」  確かにあんなメールを見せられた後に、本人が死亡したと言われれば、冗談だったとしてもあのメールの内容が気になってくる。  送っておけば問題ないのだから、迷信でもメールしておきたくなる気持ちは分かる気がした。 「まあ、メールは送ったから一安心じゃない」  そう言うとA子は深い溜め息をついでから携帯を机に置いて見せた。 「メールが来るの。あの子から」 「うん?」  言っている意味が良く分からずに、スマホの画面をみると、そこには宛先人不明のメールがぎっしりと入っていた。  送信日は昨日である。 「なにこれ?」  思わず首を傾げる。  新しい悪戯メールだろうかと、ぼんやり考える。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加