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新着を知らせるアラートが聞こえた。
SNSのグループでの発言が追加されたようだ。
リカは、詳細表示のボタンを押し、画面を眺める。すでにグループのメンバー全員から返信があったようで、それらを読みながら、自室のベッドに転がった。
何度か返信をしようかと思って、画面に言葉を入れては消す。
どうやら、同級生が行方不明らしい。
最初の内容は――
『【拡散希望】マジなやつ。二年の永原アカリが休み中に消えた。親も捜索願出したって。なんか、家でネットしてたらいなかったらしいよ。アカリのツレの真野アヤフミが情報募集だって。ヨロ。』
永原アカリーーー
直接会話をしたことはないが、英文学科の派手な女で、アヤーアヤフミの、今の彼女だ。
アヤフミとは、一時期付き合っていた。
だが、アヤフミの浮気で別れることになった。当時は心身ともに傷付き、疲れ、人を信じることが怖くなった。
それももう一年近く前の事で、今ではアヤフミを見ても何とも思わない。ただ、いまだに会話をすることはなかった。
アカリは、その後から何人目の彼女だったかーー
大学に入って、アヤフミは変わった。高校入学から同じクラスで、入った大学も同じ。自然に仲良くなり、入ったテニスサークルの夏合宿でアヤフミから告白され付き合い始めた。
だが、3ヶ月した頃から、リカ以外の女と二人で遊ぶことが増え、半年の頃にはリカとの連絡もほとんど疎遠になっていた。
アヤフミは、それを気にする素振りもなく、髪型や服装も垢抜け、彼女が何度も変わるようになっていた。
そこまでのことを思い出し、リカはアヤフミのメールアドレスを探し始めた。
ハ行まで来て、指が止まる。
ー今さら、何を連絡する?
ー彼女の情報があるわけでもないのに?
ーなぐさめるのもおかしいし、むしろ、そこまで執着できる彼女に出会えたアヤに、私が連絡してもーーー
そこまで思ったところで、メールもSNSも閉じた。
溜め息をつき、スマホをベッドに放り出す。
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