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1人笑いながらドアを開けようと手を伸ばす。
「俺は由奈じゃない」
……え?
幻聴かと思った。
私はドアの前で立ち止まっていた。
私はこんな声の人知らないし…。
患者さんに見覚えはない声だし…。
空耳?
人影は消えないけど、お互い無言のままだった。
由奈、変声して遊んでるのかな?
「なんのマネしてるの由奈。驚いたよ、男の人に聞こえたんだもん」
由奈としか考えられない私はまた口を開く。
鍵を開けてドアを開く。
「だから、由奈じゃないってば」
……誰?
「すいません、ここは関係者以外立ち入り禁止なので……」
笑顔で会釈し、ドアを閉めようとする。
「お前、バカか?」
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