Hydrangea'1

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1人笑いながらドアを開けようと手を伸ばす。 「俺は由奈じゃない」 ……え? 幻聴かと思った。 私はドアの前で立ち止まっていた。 私はこんな声の人知らないし…。 患者さんに見覚えはない声だし…。 空耳? 人影は消えないけど、お互い無言のままだった。 由奈、変声して遊んでるのかな? 「なんのマネしてるの由奈。驚いたよ、男の人に聞こえたんだもん」 由奈としか考えられない私はまた口を開く。 鍵を開けてドアを開く。 「だから、由奈じゃないってば」 ……誰? 「すいません、ここは関係者以外立ち入り禁止なので……」 笑顔で会釈し、ドアを閉めようとする。 「お前、バカか?」
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