Hydrangea'1

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「はい……では失礼します」 扉を閉めたとき。 私の心臓は高鳴っていた。 ……どうして。 こんなにドクドクしてるんだろう。 …きっと見たこともない人が入ろうとしてきたから驚いただけだ。 …これは驚きだ。 カッコよかったからとかじゃない。 絶対そんな事はない。 「おい……」 扉の向こうから聞こえる声。 ……まだいる。 「お前、ここの看護師?」 「……はい」 「……こき使ってやるよ」 「え?」 扉を開けずにはいられなかった。 勢いよく扉を開く。 「……こっちにとっても、好都合なんだよなあ」 「遠慮します」 丁重に断る。 「拒否権無いから」 意味がわからない。
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