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それなら、と彼は言います。
──僕が話し相手になってあげるよ
本当に? と女の子は彼に訊ねます。
──本当さ。毎日、君に会いに来るよ
それから彼は、決まって昼ごろ
同じように木の上に現れては、
色んな話をしに来てくれました。
そして、女の子はようやく
かつての笑顔を取り戻しました。
そんなある日のことでした。
いつものように女の子が男の子と
他愛のない話をしていると、
トントントン、とドアがノックされました。
──誰か、いらっしゃるのですか?
彼が、帰ってきてしまったのです。
女の子は焦りました。
誰とも話してはいけない、という
彼からの言いつけを
破ってしまったのですから。
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