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「灯夜様、お帰りなさいませ。」
豪邸の中の広いフロアで
華ヶ魅家に仕える者達が
林檎に若と呼ばれる者・灯夜を出迎えた。
灯夜「おう。」
灯夜は抜け出したにも関わらず
堂々と仕えの者達を横切る
林檎「おう。じゃないでしょう?若!抜け出して皆に迷惑をかけたんですから…謝罪のひとつも言ったらどうですか?」
林檎は呆れながら言う。
灯夜「…ふん…謝罪ぃ?んなもん俺がして欲しいっつーの💢
抜け出さないために四六時中見張られている俺の身にもなってみろ
ノイローゼになっちまうぜ」
林檎「若が毎回毎回抜け出そうとしなければいいんですよ
若が屋敷を抜け出た後の私達の身にもなってみて下さいよ💨
皆心配して
若に何かあったらとか
若が屋敷を抜け出た事をもし家主様に知られたらとか
不安やら心配やらで皆気苦労が耐えませんよ💨」
林檎「ところで若」
灯夜が林檎に文句を言おうと口を開いた瞬間
林檎は言わせまいと言わんばかりに口を挟ませた
林檎「このお持ち帰りのもののけ姫
どういたしますか?」
灯夜は林檎の腕の中で静かに眠るもののけ姫を見た
灯夜「…俺の部屋のベッドに寝かせとけ」
林檎「‼…若っっっ
女の子を部屋に誘いこむなんて…私は若をそんなふうに育てた覚えは有りません‼💦」
灯夜「…殴るぞ?💢」
林檎の冗談に呆れる灯夜
灯夜「俺は風呂に入ってくるから
その間蜜柑にそいつの着替をさせろ
…麻酔まだ切れないだろ?」
蜜柑<みかん>とは
林檎の妹で
灯夜専用のメイドの事
林檎「わかりました
麻酔は明日の朝までの効き目なので大丈夫ですよ」
林檎はにこにこしながら答えた
灯夜「お前は着替え手伝わんでもいいぞ?💢」
林檎「あれ?ばれましたか?残念♪」
林檎の下ネタにため息をつき
灯夜は風呂場へ向かった。
…ひとりではもったいないという程広い露天風呂に
灯夜はひとり座り込んでいる
灯夜『…あの女…本当にこの森の中で生きてきたのか…?
…あの力…あの鳴き声…
本物の獣みたいだ…
しかし…生きてきたとしても…どうやって森に入って来たんだろうか…
森の外には人が不法侵入しないため登れる高さじゃないフェンスが張ってあるし…
親父の野獣どもが外に逃げ出さないため電気も流れてる…』
灯夜「…いくら考えてもわかんねぇよ…」
灯夜はため息をはく
…。
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