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思わず携帯を落としてしまう。
見てはならないものを見てしまった。
まさか彼が――宏太が――
「お待たせー」
その時だった。
どうやら戻ってきたらしく、声とともに運転席側のドアが開かれる。
まずい!
沙耶は投げた携帯を手に取って、慌てて通常画面へと戻した。
「――あれ? それ僕の携帯だよね?」
「えっ、あっ……う、うん。
足元に落ちてたから今ちょうど拾ったの」
苦しい言い訳だった。
だが、宏太は何となし気な顔で何度か頷くと、ありがとうと言って笑顔を見せた。
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