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「王子、お目覚めのお時間です」
カーテンの取り払われた窓から太陽の光。開け放たれたそれから入ってくる生ぬるい風が、鼻をくすぐる。
パチリと目を開いた。
「おはようございます」
腕に緑色の服を抱え、俺の使用人が笑っていた。
「ああ、」
俺はまた目をつむり、仰向けになっていた体を横にした。
「王子、起きてください」
もう一度夢の世界に飛び立とうとする俺に、使用人は眉をひそめた。
「本日はご来客があります」
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