いじわるな王子様

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「ダメです」  使用人は起き上がった俺に正装を手渡した。 「冗談さ」  俺は面白くない使用人に、面倒くさそうに返した。キャラメルブラウンの肩まで伸びた内ハネの髪が目の端にチラつく。 「目障りだから出てってくれる?」  目をたらし、口角をあげ、微笑む。 「失礼いたしました」  使用人は一礼をするとキッと強い視線を俺に向けた。  ……気に食わないな。  俺は受け取った正装を広げ、粗を探した。
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