case1:JS

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そう思うのに、ゆーちゃんはなんだか沈んだ感じで、なかなか会話が続かなくて。 結局その笑顔が再び見れたのは、ゆーちゃんの家の前に車を停めた時だった。 「今日はほんっとーにありがとうございました」 ニコッとして、ゆーちゃんが僕に向く。 「今日はほんっとーにおめでとうございました」 「あははっ。大事にするね?これ。ほんとにありがとう」 ゆーちゃんはプレゼントを胸に抱え直した 。 よかった……。 よっぽど気に入ってくれたみたい。 「無くさないでね?ピアス」 「なくさないよ~~ジュンちゃんじゃないんだから~~」 「おいっ。こないだ無くしてたじゃんかぁ」 「やははっ」 いつものじゃれ合いが心地いい。 「……それ、つけてみて ?」 ニコニコしていたゆーちゃんは頷くと、中の箱を取り出して、パールのピアスを手にした。 「もったいないけど……じゃあつけちゃおっかな」 ボックスについてるミラーを見ながら、小さなピアスを耳につけていく。 ──その指先が綺麗で。 髪をかき上げる仕草が色っぽくて……。 「……どお?」 キラリと輝くパールが予想通りに……いやそれ以上に、ゆーちゃんに似合いすぎていて……。 僕は思わずキスした。 あまりにも魅惑的なゆーちゃんを前にして、おかしくなったのかもしれない。 ほとんど衝動的だった。 「……好きだよ」 ゆーちゃんはコクリ、と頷いた。 でも。 その瞳から急にはらはら涙が溢れだして、僕は一気に血の気が引いた。 ……え……うそ……。 どうしよう。どうしよう。どうしよう。 覚悟もできないうちに、ゆーちゃんは言った。 「……ごめんなさい」 いきなりみぞおちを殴られた気分。 ごめんって……ごめんって ……なに? 僕はすがるようにゆーちゃんの手を握った。 「……私……ジュンちゃんが思ってるような子じゃないんだよ……」 「ゆーちゃん……?」 「ジュンちゃんが思ってるほど……純粋でもなんでもない……」 純粋じゃない……。 純粋じゃない……? 「……なにいって……」
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