case1:JS

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「それならそうと早く言ってよぉ!」 「ええ~?言ったよ?ジュンちゃん一回来たとき 、うち誰もいないって 」 ……いや、うん。言った。 確かに言ってたけどさぁ。 「あの日だけのことかと思った……」 心底うなだれる僕を見て、ゆーちゃんは終始キョトン。 そしてふふっと笑って言った。 「なんだぁ~そっか。それで全然うちに来てくれなかったのか……」 そうだよ。 本当は僕だって……。 ゆーちゃんを一瞥した僕は、車をカーポートに停めて降りた。 助手席のドアを開けて、ゆーちゃんを降ろして、一度だけ来たことのあるお家に入れてもらう。 相変わらずおしゃれな輸入邸宅のような造り。 「どうぞ?」と促されるまま、リビング階段の前へ。 「ええっと、とりあえずジュンちゃん先部屋にいってて?」 言いながらキッチンの方へ向かうゆーちゃん。 でも僕は上がらずに、佇んでゆーちゃんを待った 。 ……久しぶりだなぁ。 初めて来たのは確か、付き合ってすぐの時だった 。 あの時はめちゃくちゃ緊張してて、でも色んなこと話して笑い合って、打ち解けて。 そんで帰り際、初めてキスしたんだっけ……。 当時のことを思い返して思わずにやける。 あの時のゆーちゃんってばもう、ほんっとに初々しくて。 慣れない反応が可愛くて可愛くて……。 それで、大切にしなきゃって、ずっと心に決めてて。 なのに。 そんなゆーちゃんがいつしか……僕を求めてた、なんて。 …………………… ……………………………。 色々思ってるうち堪らなくなっちゃって、僕はゆーちゃんに歩み寄った。 「…………?」 カウンターでグラスを用意する彼女をそっと抱きしめる。
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