case1:JS

3/13
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
「なんどもなん~どもぉ~♪か~な~えよぉ~♪」 冬の星空のもと。 僕は軽快に車を走らせながら、軽快にメロディを口ずさんでいた。 「はぁ……。やっぱジュンちゃんの声ステキだなぁ」 ……んふふっ。 助手席でうっとりしてるのは、僕の彼女。ゆーちゃん。 どっちかというと外に出たがりな僕らは、只今ドライブデート中。 「カリスマでしょ?」 ゆーちゃんはおもむろにシートに寄りかかる。 「声だけはね」 「だけは!?」 「あとはダメ~」 なんですと!? 「ダメじゃないよっ」 「ダメだよ」 「どこがダメですかぁ!」 「全体的に」 あっ! 言ったなコノヤロ~! 僕は手を伸ばしてゆーちゃんのわき腹をくすぐる。 このこのこのこのーっ! 「やははははっ!ちょ、ちょっと待ってーっ!」 「ゴメンナサイはー!?」 「やーっ!わかった!わかったから前!前見て!」 「は~や~く~」 「ひゃははっ!!ごめんなさ~い!」 付き合って3ヵ月。 僕らはいつもこんな調子で、くだらないやりとりでじゃれ合ってる。 ゆーちゃんは冗談好きで、いつも僕をいじるけど、明るくて素直でめっちゃ優しい。 今どき珍しいくらい純粋だし、年下なのに気が回るいい子だ。 そんなゆーちゃんが、僕は大好きで。 好きで好きで好きで好きで。 だからね……。 大切にしたい、って思ってるんだ。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!