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好きだなぁ。
後ろ姿も好き。
なんか変な体制で写メ撮ってるけど。
そんなところも可愛い。
クルクル変わる表情も好き。
僕をおちょくる態度も好き。
全部。
全部が、大好き……。
ムーディーな夜景にやられちゃったみたい。
いつもは自粛している僕も、この時ばかりは我慢できずに、後ろからゆーちゃんの体に腕を回した。
「わっ!」
「寒いからあっためてあげるぅ」
「あ、ど、どうも」
うぷぷ。
どもってるし。
「あったかいね」
「うん……」
あーなんか。
僕、今、幸せだ。
ずーっとこうしてたい……。
抱きしめる腕に力が入る。
と、同時に、ゆーちゃんの様子が急変した。
「……そろそろ帰ろっか!」
………え?
「え?もう?」
「うん。ジュンちゃん、カゼ引いたら大変」
パッと、僕の腕をすり抜けるゆーちゃん。
……………。
あれ?
なんか変……?
「だいじょーぶだよ。まだ来たばっかじゃん」
っておい!
おいおいおい!
スタスタ歩いていくゆーちゃんにビックリ!
あ。はっはーん。
さては照れてんのか?
どこまでも楽天的な僕は、半ばにやけながら彼女に駆け寄った。
でも。
腕をつかんで、ゆーちゃんの顔を覗き込んで、事の重大さを知ったんだ。
「ゆーちゃん……?」
なんで……そんな顔してんの?
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