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切なげな顔。
必死で泣くのをこらえてる。
な、なんで……っ!
「ちょちょちょ、どーした!?」
ゆーちゃんはブンブンと首を横に振る。
「なんだよ~。言って?」
「……………。」
うつむいて、無言を貫くゆーちゃん。
やばい。
どうしよう。
分かんない……。
結局わけは分からないまま、僕はゆーちゃんつられて公園をあとにした。
帰りの車内では、ゆーちゃんはいつもの調子に戻っていて。
僕もなんとなくそれに合わせて……。
でも僕は見逃さなかった。
途中、ゆーちゃんが何度か口を開きかけたことを。
それはまるで、なにか深刻なことを告げようとしている感じで。
でも、どうしても言えないって風に見えた。
この日を境に、ゆーちゃんはたびたびそんなそぶりを見せるようになった。
特に別れ際。
少し緊張したような顔つきで、なにか言いたげに僕を見つめてくるんだ。
そしてなんとなく。なんとなくだけど、僕との距離をはかるようになった。
僕は気づかないフリをしていた。
怖かったから。
もしかして別れ話を切り出されるんじゃないかって、不安だったから。
そんなはずないって思いたかったけど。
ゆーちゃんはいつも楽しそうにしていたし、僕への気持ちは変わってないはずだって、信じたかったけど。
だけど。
そこまで前向きに思い込める自信が、僕にはなかったんだ。
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