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「じゃーん!」 デザートを食べ終えたタイミングで、僕は紙袋を取り出した。 中身はもちろん、ゆーちゃんへのプレゼント。 「わぁ……ありがとう ……」 「あけてみて?」 ゆーちゃんが遠慮がちに中を開ける。 んふふ……。 喜んでくれるかな? 「うわーん!これって ……!」 「うん。ゆーちゃん、かたっぽ無くして欲しがってたでしょ?そのピアス 」 「ありがとう~~!えっと、でも……時計も?」 「ピアスだけじゃなんだから。同じとこのヤツ、ついでに」 目をぱちくりさせるゆーちゃん。 「ついでにって……ついでの方が高いのでは」 「うはは。どっちも安もんだよ。選ぶのはちょーーかかったけど」 そう言った瞬間、ゆーちゃんは胸がいっぱいになった顔をして。 ギフトボックスをぎゅっと握って、はにかんだ。 ……ああもう。 反則だよ。 そんな顔見せられたら、こっちまで嬉しくてはにかんじゃう。 単純すぎかな。 さっきまで不安だったのに、もう今は無敵な気分。 大好きな人が、とびきりの笑顔を向けてくれる。 ただそれだけのことでもね、ゆーちゃんの気持ちはちゃんとここにある気がして……僕は心底ほっとしたんだ。 「もうこんな時間かぁ」 店を出て車に乗ると、もう日付が変わりそうな時刻になっていた。 やば。 これからどうする?もなにも、家までけっこうかかるし……。 もう送り届けなきゃ。 「いま送るね!」 「あ……うん……」 あんまし遅くまでつれ回したことない僕は、急いでアクセルを踏んだ。 とたん。 ゆーちゃんは何か言いかけてじっと僕に向くと、またすぐ前に視線を戻した。 ────まただ……。 でも僕は問いかけることができない。 少しでも傷つかないように、予防線を貼ることしかできない。 ────なんでもないよ。 きっと気のせい。 二人で笑い合って、そしまた、さんざんじゃれ合って帰れる。
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