2人が本棚に入れています
本棚に追加
ビクッ、と体が跳ねた。
唐突に携帯電話がバイブの振動と共に音をたてたからだ。
湿った音をたてる携帯電話を拾い上げ、画面を覗き込んだ。
携帯電話には新着メールが届いていた。
受信メールは、その一件きりだった。
送信メールは山ほどある携帯電話にある、一件きりの受信メールを開いた。
あんたがストーカーなのは分かっているのよ。もう二度と付きまとわないで。
叫びに似た短文が、画面に浮かびあがった。
こいつ、私以外にもしでかしてやがった。薄々は感じていたけれど。
大嫌いなゴーヤを噛み潰したときのような表情を浮かべて、携帯電話を戻した。
ぐちょぐちょした得体の知れぬものが詰まった、ストーカーの腹の中に。
最初のコメントを投稿しよう!