プロローグ 白紙の本の物語

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「……さて、ここまで来れば大丈夫だろう。もう迷わぬようにな」 「はい、ありがとうございます」  多くの人が行き交う正門前のそばまで案内され、グラン・シャリオは頭を下げた。ここまで来れば、下手に動かなければ見つけてもらえるはずだ。女性は人好きのする笑顔を浮かべて手を振り、来た道を戻っていった。 「あっ、グラン・シャリオちゃん!」  ぼうっと人波を眺める事少し、こちらを発見したのか、アクティニディアとリギルが駆け寄ってきた。ちょうど同じところにいたらしい。すぐに合流出来た事にほっとし、笑みをこぼす。
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