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「おはよー」
「おはようございまーす」
すれ違う村人と挨拶を交わし、数十分ほどで貸本屋に着く。扉を開くと、中は暗かった。ここの店主が本の日焼けを嫌い、カーテンをすべてしめきっているため、日光が入ってこないのだ。空気もよどんでいる気がする。
いつも通りの様子に、グラン・シャリオは息をついて、ストッパーで扉を全開に固定した。
「マスター、マスター!」
声を上げると、カウンターの向こうからひょこっと顔を出す人物がいた。
「なんだようるさいなぁ」
「なんだよじゃないですよ、もー。またわたしがいない間閉めっぱなしにしてー」
「いいじゃないか」
「よくないですよー。こんなんだと本がかびちゃいます」
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