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「すみません、気が付いたらはぐれちゃって……」
「心配したにゃー」
「こっちこそすみません。怪我とかないっすか?」
「ええ、大丈夫です。親切な衛兵さんに送ってもらいました」
言ってから、彼女は衛兵なのだろうかと疑問が生じたが、詳しく説明すれば大輝と名乗った彼に触れなければならない。彼の幸福や風評のためにも、適度にぼかしておけばいいだろう。
「それならいいんすけど。……そろそろ戻りますか? スクートゥムも待たせてますし」
「そうですね。お二人とも、ありがとうございました」
「にゃーん、このくらいの案内ならお安いご用だにゃー」
城は十分堪能した。また来ることがあっても、それは来年以降の事だ。外で待っているスクートゥムを迎えに行くべく、王城を後にした。
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