第1章 メール

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仕事中でもメールの返信が遅れると催促のメールが来た。 『ねえ、さっきのメールまだ読んでないの?はやくお返事ほしいな』 また、ある日会社帰りに同僚と飲んでいると美樹からメールがあった。 『ご飯を作って待っているんだよ。今日は遅いね。いつ帰ってくるの?』 そんなこと知らなかった俺は、 『ごめん。同僚と飲んでるから今日は飯はいらない』 と返信した。 すると電話が掛かってきた。 「なんで?せっかく作って待ってるんだよ。 同僚ってダレ? 女なんでしょう? あたしよりその女の方が大事なの?」 そんな美樹の行動は、重たく俺にのしかかった。 注意すると決まって美樹はこう言った。 「なんで?それは俊也さんを愛してるからなんだよ。 あたしは俊也さんが全てなの。 俊也さんはあたしを愛してくれてないの?」 そして泣き出すのだ。 耐えられなくなり、交際開始から3ヶ月ほどで、俺は美樹に別れを切り出した。 当然美樹は泣きじゃくった。 「あたしが悪かったなら謝るからそんなこと言わないで」 と。 だが俺の気持ちは美樹に戻ることはなかった。
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