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遠くから、音が聞こえた。 その音は夢の中から僕を切り出す。形を取った僕は途惑ってしまう。 そこは暖かい土の中、記憶の幽遠に睡る子宮。 僕は柔らかな羊水に浮かび、長い夢に身悶えをしていた。 また音が聞こえた、僕は導かれるようにその音を辿る。 身体をくゆらせ、眼を開けた。 僕はそこで蹲っていた。だから手足をゆっくりと伸ばした。 体が玩具の様に軋む。
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