第1章

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「お姉ちゃん、必ず恩は返すからね」 妹は義理難い しかし病弱で今度は三度目の入院だ 私はいつも妹に千羽鶴を折っていた しかし会社が忙しくて百羽ほど専門店で買って来て間に合わした そのせいではないが妹は死んだ 遺品を病院から持ち返る時母が気がついた 「その鶴少し足りないんじゃない」 私は鶴を数えて見た あの百羽がたりない そして、お札が鶴の所に縛りつけてあった 鶴百羽の代金だ 私はしばらく寝込んだ それから身体の調子を悪くして、やっと退院になった時、部屋のテーブルに一通のメールがある事に気がついた。 私は母が何か連絡を置いたと思い気軽に開けて見た そこには一枚の紙があり、妹の字でこう書いてあった 『退院おめでとうお姉ちゃん きっちり怨は返したからね』 私は身体が震えた その時風もないのに窓が開いて夕日に向かって百羽の紙鶴が飛んで行くのが見えた 私は恐怖が消え清々しい気持ちになって言った 「やるじゃない さすがわが妹」 妹は義理がたいしっかりもんだ 受けた恩も借りもしっかり返す 同時に千羽全部買ってた事を考えたら戦慄した 何しろ妹はきっちりケリをつけるしっかり者なのだから…
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