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更に連れてこられた"ウェルグランド"。
そこはまさに!天国だった!ボクにとってのね!
国中にありとあらゆる井戸が点在した。
誰でも入れるサイズだったり、子どもサイズだったり。
そもそも井戸ってのは、"入る"ためのものじゃない。
んなこたぁ知っている。
だけど、"入る"ロマンを知ってしまったボクには"入る"ことこそが"井戸"の在り方だ。
それがこの国では"日常"なんだ!
「…すげぇな。まさに井戸が中心の国か。」
ゆーまんが井戸を称賛しているわ!
もうゲームの世界だけじゃない!
今!現実に"入る井戸"が常識の世界が拡がってる!
ママもこの世界を見たら文句も言えなくなるね!
それが出来ないのが悔しいや。
「…今、言うことじゃないんだけど。」
「なに?今必要ないから言わなくていいよ。」
「まぁ、聞けって。………俺たち、堪能した後、どうやって帰るんだ?」
……………帰る?
……………………………!考えてなかった。
そういえば、来た井戸は消えていたような…。
「あんだけ"異世界"へ通じる井戸がいっぱいあるんだから、一個くらい元の世界に繋がっててもおかしくないよ。」
「…帰りたくなったら、しらみ潰しにさがすのか?」
「うん!その分、いっぱい井戸に入れるじゃん!」
「……じゃぁ、問題点をあげてやろう。
先ず"井戸異世界間の戦争"が落ち着かない限り、他の井戸の捜索は危険。
後、他の"井戸異世界"に行ったらどういう扱いをされるかわからない。
ざっくりだとこの二点の問題点がある。」
「あー…、確かに。
迂闊に調べられない上に、他の"井戸異世界"の情勢まではわかんないもんね。
あのマクシミリアンくんも、軽く言ってたけど、実際はどれだけ危ないかわかんないし。
わかんないだらけだ。」
「あのマクシミリアン王子についていって、王様と王妃様に会って聞けても、おまえは別の意味で危険だから下手に行かない方がいい。」
「あ、そっか。招待されてたね。
んー、気になってたんだよ。なんでそう、行くなってゆーのさ?」
「………おまえな。性格はアレだが、見た目はかなりいい方なんだから気にしろ?
おまえがいくら、井戸にしか興味がないと言っても、相手にそれが通用すると思うな。」
「………………そうだったんだ。知らなかったよ、ゆーまん。」
「……うん、分かってた。」
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