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「そいや、マクシミリアンくんどこいったのかな?」
着いた途端、待っててって入り口で待ち惚けなボクら。
「まぁ、俺たちはまかりなりにも奴らからしたら、"異世界人"だからな。」
「確かに…。さっきから超見られてるしね。」
遠巻きに国民さんがガン見してくる。
早く戻ってこい、マクシミリアン!
「やぁ、悪かったね。ちょっとした野暮用だよ。」
爽やかに戻ってきた。
「周りに超見られてて困ったよ。」
「ああ、それはカリンが可愛いからに決まってるじゃないか♪」
………ボクの井戸愛を、あれだけ聞いておいて気にしない辺り、かなりの強者だ。
「さぁ、案内するよ。ついておいで。」
然り気無くボクの手を取ろうとしたマクシミリアン。
気がつかないふりをしてやった。
宙ぶらりんな手を、にこやかな顔で一瞬見つめたが、すぐに何事も無かったように先導を始めた。
「あ、聞きたかったんだけどさ?」
「なんだい?カリン。」
「戦争ってどんな感じなの?」
「3対3のトリプルバトル式だよ。」
…は?
「……あれか。戦に行くときは、3人チーム行動ってヤツ?」
「うん、そうだよ。相手も3人チームでの行動が義務づけられているんだ。」
それはなんと言うか、フェアプレイしてる時点で、危険とかあまり感じないんだけど。
しかも、ゲームみたいだな。
「勝ち負け判定は?」
「……相手側をより早く戦闘不能にすることだよ。
負傷側が対応が早ければ再戦も可能だけど、大多数が兵士だから"生きるか死ぬか"を念頭に戦ってるんだ。
3対3なのは、消耗戦をしないためさ。」
……うわー、一気に重くなった。
「ま、現在のところは全ての"敵井戸"と接戦状態かな。
まだそんな死傷者は出ていないよ。今のところはね…。」
「今のところはってことは、今後増える可能性があるってことだよな。」
ゆーまんが割って入ると、少し嫌そうな顔。
「…そうだね。一部の"敵井戸"が不穏な動きを見せているんだ。
高度技術である、償還魔法が完成間近っていう噂があるからね。」
「しょうかんまほー?」
「…禁忌に近い"償還"。
仲間を犠牲にして、強大な"償還"魔獣を使用しようとしてるってことさ。
通常の"召喚"魔法は精霊の力を借りるだけだけどね。」
「…早く掌握したい"井戸異世界"がある?」
マクシミリアンは頷いた。
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