先ずはウェルグランド漫遊を堪能しよう

3/4
前へ
/87ページ
次へ
「そいや、マクシミリアンくんどこいったのかな?」 着いた途端、待っててって入り口で待ち惚けなボクら。 「まぁ、俺たちはまかりなりにも奴らからしたら、"異世界人"だからな。」 「確かに…。さっきから超見られてるしね。」 遠巻きに国民さんがガン見してくる。 早く戻ってこい、マクシミリアン! 「やぁ、悪かったね。ちょっとした野暮用だよ。」 爽やかに戻ってきた。 「周りに超見られてて困ったよ。」 「ああ、それはカリンが可愛いからに決まってるじゃないか♪」 ………ボクの井戸愛を、あれだけ聞いておいて気にしない辺り、かなりの強者だ。 「さぁ、案内するよ。ついておいで。」 然り気無くボクの手を取ろうとしたマクシミリアン。 気がつかないふりをしてやった。 宙ぶらりんな手を、にこやかな顔で一瞬見つめたが、すぐに何事も無かったように先導を始めた。 「あ、聞きたかったんだけどさ?」 「なんだい?カリン。」 「戦争ってどんな感じなの?」 「3対3のトリプルバトル式だよ。」 …は? 「……あれか。戦に行くときは、3人チーム行動ってヤツ?」 「うん、そうだよ。相手も3人チームでの行動が義務づけられているんだ。」 それはなんと言うか、フェアプレイしてる時点で、危険とかあまり感じないんだけど。 しかも、ゲームみたいだな。 「勝ち負け判定は?」 「……相手側をより早く戦闘不能にすることだよ。 負傷側が対応が早ければ再戦も可能だけど、大多数が兵士だから"生きるか死ぬか"を念頭に戦ってるんだ。 3対3なのは、消耗戦をしないためさ。」 ……うわー、一気に重くなった。 「ま、現在のところは全ての"敵井戸"と接戦状態かな。 まだそんな死傷者は出ていないよ。今のところはね…。」 「今のところはってことは、今後増える可能性があるってことだよな。」 ゆーまんが割って入ると、少し嫌そうな顔。 「…そうだね。一部の"敵井戸"が不穏な動きを見せているんだ。 高度技術である、償還魔法が完成間近っていう噂があるからね。」 「しょうかんまほー?」 「…禁忌に近い"償還"。 仲間を犠牲にして、強大な"償還"魔獣を使用しようとしてるってことさ。 通常の"召喚"魔法は精霊の力を借りるだけだけどね。」 「…早く掌握したい"井戸異世界"がある?」 マクシミリアンは頷いた。
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加