だから、好きだって言ってんだよ

好きなの？

ここ毎日、無意識に心が陽平を探している。

姿を見るとドキドキして、途端に落ち着きをなくす心臓。

ピンとアンテナを張ったみたいに、あたしの中のセンサーは無意識に陽平に向いている。

教卓の前で男子数人と戯れる陽平を、なぜか目でちらちら追ってしまっていた。

時間が経てばすべてが元通りで、まるであのキスが幻だったかのように思えて来る。

あたし……本当にあの陽平とキスしちゃったんだよね？

悪いと思ってるから触れないようにしてくれてるんだと思うけど、何事もなかったかのようにされるとそれはそれで何だか嫌だ。

って、かなりワガママだなあたし。

「好きなんでしょ？陽平君のこと～！」

「は、はぁ……！？なんでそうなるの？ありえないし」

からかって来るまりあに、身振り手振りで必死に否定する。

……ありえないよ。

「強がっちゃって～！知ってるんだからね、ちらちら見てること」

「……っ」

ううっ。