イジワルなアイツ

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イジワルなアイツ

「よしっ!」 これでバッチリ!! やっぱり、最初が肝心だもんね。 うん。 ーーコンコン 朝、気合いを入れていると部屋のドアが突然ノックされた。 「愛梨(あいり)ー?起きなさい、遅刻するわよ」 お母さんの声が聞こえてハッとする。 えっ? もうそんな時間!? 慌てて時計に目をやる。 ただ今、8時10分…… じゅ、10分!? 「ウソっ!!」 全身鏡の前で制服を整えていたあたしの顔から、みるみる内に血の気が引いて行く。 新しい制服が嬉しくて、思わず見惚れてしまっていたんだ。 ーーガチャ 「あら、起きてたの?なら、さっさと下に下りてらっしゃい」 お母さんが呆れ顔で淡々と言う。 ヤバい、遅刻するっ!
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