133人が本棚に入れています
本棚に追加
イジワルなアイツ
「よしっ!」
これでバッチリ!!
やっぱり、最初が肝心だもんね。
うん。
ーーコンコン
朝、気合いを入れていると部屋のドアが突然ノックされた。
「愛梨(あいり)ー?起きなさい、遅刻するわよ」
お母さんの声が聞こえてハッとする。
えっ?
もうそんな時間!?
慌てて時計に目をやる。
ただ今、8時10分……
じゅ、10分!?
「ウソっ!!」
全身鏡の前で制服を整えていたあたしの顔から、みるみる内に血の気が引いて行く。
新しい制服が嬉しくて、思わず見惚れてしまっていたんだ。
ーーガチャ
「あら、起きてたの?なら、さっさと下に下りてらっしゃい」
お母さんが呆れ顔で淡々と言う。
ヤバい、遅刻するっ!
最初のコメントを投稿しよう!