だから、好きだって言ってんだよ

気まずい関係

ーーガシッ

腕を掴まれて引っ張られる。

あまりの力強さに、痛くて顔を歪めた。

ヒリヒリして、どんどん恐怖が増して行く。

やだ。

助けてっ！

「もうガマン出来ねー。愛梨に触ってんじゃねーよ！」

「ガキがこの人数に勝てると思ってんのか！？あぁ！？」

涙でボヤける視界に陽平の姿が映った。

「人数なんて関係ねーし、手加減もしねー。てめえは完全に俺を怒らせたんだからな」

陽平は今までに見たことがないほど眉を吊り上げて、鋭い眼光で目の前の銀髪男を睨み付ける。

至って冷静に見えるけど、その冷静さが逆に怖くて。

いつもみたいに不機嫌さを全面に出している時の姿の方が、断然に可愛く思えた。