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「てめえら、2度と愛梨に近付くんじゃねーぞ!」
冷静だけど、低いその声は明らかに怒っていて。
あたしは立ち尽くしたまま動けなかった。
「く、くそッ。離せ……っ」
銀髪男が悔しそうにあたしを睨む。
怖くてとっさに目をそらした。
「聞いてんのか!?2度と愛梨に近付くんじゃねーって言ってんだよ!」
押さえ付ける腕の力を強めて、陽平はどんどん怒りをあらわにする。
「ぐっ……や、めろ。わか、った……言う通りにするから」
陽平の横顔は本当に怖くて、小学生の頃から知っているあたしでも、話しかけられるような雰囲気じゃなかった。
「次手ぇ出したら、この腕へし折ってやるからな」
陽平は冷たくそう吐き捨てると、銀髪男の腕をパッと離した。
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