気まずい関係

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「バカ、ムリして笑うなって。こんな時ぐらい、素直に怖かったって言えばいいんだよ」 そう言って、陽平はまたあたしの手をギュッと握った。 それはまるで、恐怖に怯える心を優しく包み込んでくれているようで。 言いようのない安心感を与えてくれる。 ……知らなかった。 陽平の手がこんなに温かくて。 たくさんの優しさに溢れていたなんて。 それに、こんなにも大きかったなんて。 イメージは小学生の時のままだったから。
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