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気付くと震えも止まっていて、陽平に引っ張られるようにして歩いていたあたしは恥ずかしさでいっぱいだった。
だって、陽平と手を繋いで歩くだなんて。
ありえないっていうか、ドキドキし過ぎてそわそわする。
「あ、えっと!もう、大丈夫だから……」
斜め前を歩く陽平の横顔を見上げる。
腕に全神経が集中しているみたいに熱くなって、繋がった手に力が入った。
「え、あ……悪い。思わず繋いじまった」
「あ、ううん……!」
気まずそうにあたしを見た陽平は、慌てたようにパッと手を離した。
目を泳がせながらちらちらとあたしを見て、頬はほんのりピンク色に染まっている。
さっきまで怒っていた姿とは全く違って、あまりの動揺っぷりに思わず笑みが零れた。
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