第1章 Error Cord・criminal

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『……………』 ブツッ ジ……ザザッ…………ザ……ジ… ツーツーツー やってしまったか。 そう、マノンは思った。 捕まった少年に、罪はない。 偶然。偶然、ハノンが適当に作った似顔絵が、少年に酷似していただけ。 だが、ハノンも[驚いた]ようだった。 少なくとも、想定外。予測範囲外の出来事だったのだろう。 適当に作ったでまかせが、まさか、本当に、同じ時間、同じコンビニで、同じものが盗まれる、なんて。 どれほどの奇跡か。偶然が。 違うのは、犯人だけ。 『…聞こ…え……ますか…』 幸いか、不幸か。 少年の携帯端末は、取り上げられて、いなかった。 マノンは止めた。 冤罪とはいえ。犯罪者とコンタクトをとるのは、ヤバいと。 だが、責任感を植え付けられた性質上、[どうにかしたい]と。 ハノンは言った。 携帯端末が取り上げられていなかった時点でもう、気づくべきだったのかもしれなかった。 だが、ハノンが自身の行動に一切の疑問をもたないように、マノンもそれが当然だろうと思い込まされていた。 そのときは、まだ。
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