第1章 Error Cord・criminal

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『あ、マノちゃんマノちゃん、今度こそつながった~』 『おーおー、よかったなー』 嬉そうにはしゃぐ声にも、適当でだるそうな声にも、聞き覚えはない。 「誰だよ…」 苛立ち紛れに。しかし、切ったところでいなくなるような相手とは思えないので、声だけは返す。 『はい、私(ワタクシ)は、情報管理プログラムHANON。正式名称は…』 『…ザザッ…長くなるから切ったぞ。ワタシは同じく情報管理プログラムMANON。ああ、アバターはハノンのものだから、勘違いはしないように』 事務的になったはしゃいでいた声をぶったぎり、かわらずだるそうな声が言う。 は、と。口が妙な息を吐き出した。 イタズラ電話、と切り捨てることもできた。 『ハノン。正義感は勝手にしろ。だが、あまり時間はねぇぞ。手短に済ませろ』 『わかってるよ~。と、いうわけで、本題です』 だが、声はお構い無く核心に触れる。 『本当の犯人を、捕まえたい?』 切り捨てることも、できた。 イタズラ電話だ。 そう、言い聞かせようともした。 でも、 「当たり前だろ…」 できない。 「当たり前に決まってるだろ…!!」 できる、わけがない。
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