第1章 Error Cord・criminal

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『だよね』 その言葉に。ふと少年は思い返す。 「あんたら、俺が犯人だとは思わないのか?」 『はて、なぜですか?』 純粋に、疑問が返ってくる。 「町じゃ、俺の似顔絵つきで、俺が犯人だってことに…」 『ああ、思うわけありませんよ。その似顔絵は、私が適当にパーツを切り貼りした結果、偶然できてしまったものですから』 さも当然だというように、声は言う。 申し訳なさ、罪悪感、自分のせいで人が無実の罪でとらえられている事への感情は、一切ない。 むしろ、どこか誇らしげに。 『おいハノン、それはちょっとまずかったんじゃ…』 『ほえ?いやだって、本当のことだよ?それに、言ったでしょう?私は情報管理プログラムだと。町の中のことなら、迷子の猫ちゃんの位置情報から、お祖母ちゃんのくしゃみの数まで完璧に把握してますって』 思わず怒鳴りかけた声が消える。 「くしゃみの数…って」 さすがにおおげさだろう、といいかけた。 が、 『ええ。約10㍉四方に一つずつ盗聴器を。約10㌢四方に監視カメラを埋め込んでいますから。町の全域に』 ゾクゥッと背筋に怖気がはしる。 思わずバッバッと辺りを見渡してしまうが、それで見つけられるようなら、もうとっくに知られているだろう。 『安心しとけ。その部屋にはねーよ。だからこそ、こんな面倒な方法でしかコンタクトをとれなかったんだ』
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