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冗談だと、笑いとばせるのか。
笑いとばせたら、どれほど楽か。
急速に、体から力が抜けるのがわかる。
『あー、ここだけは管轄が違うもんね。一応、一度入り込んだら掌握はできたっぽいけど~』
なんとか押し留めようと。
体を支えようとした手のひらがすべり、そのまま倒れこむ。
『……………あれ~?』
『ハノン、しばらく考える時間をやったらどうだ?向こうからすれば、ワタシ達が信用できるかどうかなんてわからないわけだし』
まったく的外れとまでは言えないが、どこかズレていると少年は思った。
『あ、もしかしてこっちも時間切れ?』
『おぅ。いい加減離れないと気付かれる』
チカチカと。画面が点滅する。
『ではではでは。今日のところはこのへんで。アプリを二つほど入れておいたので、各一度ずつ、私かマノちゃんをよびだせます。落ち着いたら連絡してね~』
『おい!!なんでワタ』
プツリと。
最初と同じく、こちらの都合はお構いなしに、通話がきれる。
画面には、赤いアプリのアイコンが2つ。
片方には、巨大な蟻と、GANONの文字。
もう片方には、自らの巣に捕らえられた蜘蛛が描かれていた。
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