第1章 Error Cord・criminal

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その枚数が、多い。 『一応、これでも処理能力がパンクしないように、まとめたんだ。超誉めろ』 指でスクロールして、1枚1枚じっくりと見ていく。 画面の端でニヤニヤ笑うマノンを無視して読み進める内に、気づく。 「出入口が…ないだと!?」 『ご名答。しかも現在地もわからないんだよ』 何階層かにわかれているのか。階段やエレベーターの類いはある。 にも関わらず、出入口にあたる部分は一切書かれていない。 当然、駅の案内板のように、現在地がわかるわけでもない。 そのうえで、考える。 「エレベーターは使えないな。施設の人間が来たら詰む」 『階段も大差ないと思うがね。右も左もわからない現状で、どうするつもりだ?』 彼女の言葉に、ほんの少し考える。 「資料室」 地図のうち1枚を呼び出し、拡大。 「ここなら、お前が見つけられなかった、電子方面にあがっていない情報があるかもしれない」 ピクッと、画面の端で、表情が微かに動いた気がした。が、たぶん気のせいだろう。 『…なら、ワタシはここまでだ』 マノンがそう言うと、地図がどんどん消えていってしまう。 「お、おい!?」 『必死だな、無様なまでに』 はっ、と人を小馬鹿にしたように言うマノンの口が、つり上がる。 『安心しろよ。地図はアプリ化してある、好きに使えよ』
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