第2章 I believed in……

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「じっ…けん…?」 おそるおそる、その言葉を口にする。 まるで、真実を知ることを、否定するかのように。 『はい。内側から漏らされても、実験対象に知られても結果がきちんと出ないらしいですから、対象である町の中の人達は知ってはいけないんですけど』 それはそうだ。 現に、少年は、今の今まで、まったくそんなことを知らなかった。 『その実験のために作られたのが、私達、というわけです』 歩かないんですか?と声がした。 少年は、自分でも気づかないうちに、ズルズルと床にへたりこんでしまっていた。 力の入り方がおかしい。 携帯端末を持つ手には、自分でも痛いくらいに、力が入っているのに。 足や腕。肩や腰にさえ、力が入らない。 指先で、自分の腕や体をつかむ。 「つまり…なんだ?」 呼吸が、変に漏れでる。 「俺…達は、…実験動物…ってわけ……か?」 嘘だ 嘘だ 絶対に。絶対、嘘だ。 嘘じゃないと 嘘じゃないとダメだ… そう早口に、頭のなかを、自分の声が駆け巡る。 寒くもないのに、体が震えている。
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