第2章 I believed in……

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なぜ、自分がここまでパニックに陥っているのかは、少年にもわからない。 しかし、自分の体を自分で操ることが困難なほどに、少年は自身の制御を失ってしまっていた。 幸せに、と言うことはできなくても。 今までしていた生活は、 (俺は…俺達、は、なんなんだ…) 実験動物だというのなら、 (俺、は、何をされていたんだ…) 『おい、なにしてんだよてめぇは』 唐突に、なぜか懐かしく感じるマノンの声がした。 「…あ?」 『おお、流石はマノちゃん。気づいたみたいですねー』 のんびりした声は、ハノン。 『でも、珍しいですね。あの人が積極的に手伝うなんて…て、もういないしなー』 独り言のようなその声を聞きながら、少年はわずかに自分を取り戻す。 「…ハノン」 『はい、なんでしょうか』 携帯端末はポケットに入れ、それに話しかけながら、壁に寄りかかるようにしてなんとか立ち上がる。 壁をつたい歩きしながら、たずねる。 「実験て、なんの実験なんだ?」 『はい、えーとですね…』 てきぱきと、早すぎるくらいに話していたハノンの声が消え、少年は沈黙に放り込まれる。
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